ストライクフリーダム
形式番号ZGMF-X20A。
フリーダムガンダムの後継機として開発されたモビルスーツであり、そのためフリーダムガンダムの特性を受け継いでいる。
スラスターにはスターゲイザーに搭載された惑星間巡航システム「ヴォワチュール・リュミエール」を応用したものを持ち、非常に高い機動性を有する。
武装も強化され、全領域で非常に高い戦闘能力を誇る超高性能機だが、多数の新技術を投入した結果、ビームライフル携行中は腰部レールガンが使用できない事や、ドラグーンを展開しなければ最大機動ができない(よって、大気圏内では機動性能に制限がかかる)など、設計に混乱も見られる。
公式では、全話終了後の時点において事実上SEED世界最強のMSと言う事になっている。
元々はザフトにおいて先代機フリーダムガンダムと同時期に開発が開始されていた量産試作機であった。だが、ドラグーン・システム及び後のヴォワチュール・リュミエールシステムとなる次世代推進機関の開発が予定より遅れたため戦時完成には間に合わず、 さらにユニウス条約が施行された影響で、現存する開発データなどは全て封印されることとなった。
しかし、それら設計データは後にクライン派によって秘密裏に奪われ、デスティニーガンダムらに投入されたセカンドステージのMSの技術を加味した上で、キラ・ヤマト専用の超高性能ワンオフ機として再設計を施され、現在の姿として日の目を見る事となった。
MGの設定では、装甲を細かく分割する事で更に人間に近い動き=その他機体性能と合わさり非常に高い機動性を発揮するが可能な措置がなされているとされ、
副作用として発生する防御力の低下を、フレーム全てをPS装甲材で製作する事でカバーしている。
上記の「装甲を機能に支障が出る寸前まで犠牲にした上での非常に高い機動性を持つガンダム」として近年広く認知されているが、
実際は内部フレームが過去最高強度まで可動可能なフェイズシフト装甲になっている為、
むしろ実弾に対しては旧フリーダムより強くなっている。
無論ビームに対する防御力は低下しているが、ビームシールドの採用によりその弱点も無いに等しい。
なお、フェイズシフト装甲は出力次第でビームの完全防御も可能である(例:ヤキン・ドゥーエ攻防戦に置いてローエングリンを無効化したジェネシスのPS装甲)。
同様の機構はデスティニーガンダムにも採用されている(MGプラモデル設定書その他より)。
こちらがキラ・ヤマトの技量に全幅の信頼を置き、デメリットを黙殺して実装されている点に対し、
デスティニーガンダムに採用された機構はパイロットの技量に頼らず、隙を限りなく無くした堅牢な造りをしているという設定がある。
いずれにしても、両機の機動性・運動性はC.EのMSで1.2を争うものだろう。
武装
MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲
頭部に搭載された近接防御機関砲。
ミサイルの迎撃やPS装甲を持たない小型兵器への攻撃に適している。
劇中では未使用。
MA-M21KF 高エネルギービームライフル
フリーダムの「MA-M20 ルプス」を改良したビームライフル。
両手に二挺装備し、ライフルを連結する事で高出力・長射程のビームを発射する事が出来る。
スペシャルエディションでは、発射後にフリーダム系列機体特有の赤い粒子が収束して銃口から飛んで行き、それが直撃する事で更に大きな威力を発揮する描写があった。
連結状態ではデストロイガンダムの主砲一斉射でもやぶれなかったデスティニーガンダムのビームシールドを何度も打ち破る活躍を見せた。
最も、後述のカリドゥスはレジェンドガンダムのビームシールドを吹き飛ばす活躍を見せていた為、性能面では面攻撃のカリドゥス、貫通力の連結ライフルと言った所だろうか。
未使用時には両腰にマウントされる。
MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
腹部に内蔵された大出力ビーム砲。
同名の武装はアビスガンダムにも存在するが、こちらは威力・連射性能において大幅に上回る。
固定装備の為射角は限られるが、本機の搭載する武装の中でも特に高い威力を有し、また構えずに撃てるため乱戦などでは使い勝手が良いと思われる。
威力はデスティニーガンダムのM2000GX高エネルギー長射程ビーム砲と互角。
また、コックピット直下にこの兵装が搭載されている為、コックピットとの間を遮蔽する超高精度鏡面壁とエネルギー防壁が完備されている。
MMI-M15E クスィフィアス3レール砲
フリーダムのクスィフィアスレール砲の発展型。格納方式が小型・単純化されているが、威力は向上している。
なお、ビームライフルを両腰にマウントする際は本装備は後腰へ移動する為、その間使用する事が出来ない。
劇中では、一旦ライフルを中空に放り投げた上で相手の攻撃を白羽取りで受け止め、可動可能になった本武装ですぐさま反撃に転じるという運用法を見せた。
MA-M02G シュペールラケルタビームサーベル
2基のデバイスを連結させた「アンビデクストラス・ハルバード」モードとしても使用可能なビームサーベル。
意外にも性能面ではセカンドシリーズ(インパルスのヴァジュラ等)と同程度と控えめ。
キラは格闘において二刀流を得意とする為、基本的に連結する事は無かった。
MX2200 ビームシールド
両腕部に装備されたビームシールド発生装置。
ビームの出力を調整することで防御面を自在に変化させることができる。
また、レジェンドガンダム戦では二枚重ねることで前方全て+αの広範囲をカバーし、ドラグーンのビームを防いでいる。
劇中では大体の攻撃を耐え切っているが、レジェンドガンダムのプラットフォームからのドラグーン一斉射には耐え切れず、ダメージこそ受けていないもののシールド、機体共に吹き飛ばされた。
EQFU-3X スーパードラグーン 機動兵装ウイング
背部に搭載された、スーパードラグーンを搭載した武装プラットフォームとヴォワチュール・リュミエールの複合ユニット。
ヴォワチュール・リュミエールは武装プラットフォームからスーパードラグーンを外す事で使用可能となり、本機の機動性を飛躍的に向上させるが、ドラグーンを使用出来ない地上ではこのシステムは無用の長物となる。
また、その繊細な操作には優れた判断力と熟練が要求されるため、キラ以外が使いこなすことは困難である(むしろ一般のMSパイロットには不可能)。
MA-80V スーパードラグーン ビーム突撃砲
機動兵装ウイングの武装プラットフォームに搭載されている八基の遠隔操作兵器。
使用者の空間認識能力に依存しない第2世代ドラグーンをベースとしながら、キラ・ヤマトが使用する事を前提に更なる高性能化が施されている。
結果、再び特異な空間認識能力が必要とされる兵装に元通りになってしまった。
フルバースト時のマルチロックオンにおいて必要とされる情報処理との並列処理を含めるとスーパーコーディネイターであるキラでなければ性能を最大限に発揮させることは不可能である。
すなわちドラグーンの制御そのものに空間認識能力が必要というわけではないが、劇中ではキラ・ヤマトは何度かニュータイプ的演出(額に閃く発光現象)を発している。
これは、機動戦士ガンダム00でリボンズ・アルマーク、ロックオン・ストラトスらも同様の現象を起こしていた(「第六感」のアニメ的表現か)。
また、ビーム砲からビームサーベルを発生させる事も可能であり、格闘兵装としても使用出来る。
余談
スーパードラグーンについての補足
宇宙世紀のオールレンジ兵器と違い2機程度までなら高い空間認識能力を持たずとも使える点が特徴。
同システムが搭載されているカオスガンダムや同系統の武装を持つデストロイガンダムのパイロットは特別空間認識能力が高い様子は見せなかったが、どちらも2機までのドラグーン兵器を操作して戦闘を行っている。
これは裏返せば3機以上のドラグーンを使いこなすことは一般人にはできないということでもあり、オールレンジ兵器の真価と言える文字通りの「全方位攻撃」を行うにはやはりキラやムウ、ラウなどの高次の能力者であることが必要不可欠である。
ストライクフリーダムに装備されたドラグーンは、「使用者の空間認識能力に依存しない第2世代ドラグーンをベースとしているが、キラ・ヤマトが使用する事を前提に更なる高性能化がなされた結果、特異な空間認識能力が必要とされる兵装になった」と言う解釈が正しい。
設定の変遷
本機は劇中の設定、ガンプラの設定、ガンプラの設定から更に一歩進んだMGの設定で全く違った設定が開示され、どれが正しいのかは今も議論されている(なお、便宜上、本項では最新版の設定であるMG版の設定を掲載している)。
近年ではMG版の設定を大本に、前情報から生き残った物をいくつか採用した物が安定して認知され始めた。
2010年にカトキハジメ氏のリファインデザインを基にしたパーフェクトグレード版が発売され、続く2013年11月に実機考証を基にしたリアルグレード版が発売された。
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